今年もまた暑い時期が来ましたが、最近変わった光景を目にしております。何が変わったかと申しますと、通勤途中必ず、とある川を通るのですが、この時期に白鳥が一羽・・・。毎冬、北日本に飛来してくる言わずと知れた渡り鳥ですね。その美しい声や、大きな羽を広げて飛んだり、水面を優雅に泳ぐ姿はとても美しいですね。その光景を見ながら心和ませているところです。それがなぜ今この時期に一羽だけ?。もしかしてはぐれてそのままでいるのでしょうか。毎朝、今日もまた居るのかなあと、恐る恐る川を通ると、いつもの場所に・・・。その繰り返しのまま半月が過ぎようとしました。餌はどうしているのだろうか、他の動物等に襲われることはないのだろうか、日々考えながら朝車窓からその風景を見て考えてしまう毎日。そこで白鳥の特徴を調べてみたところ、渡り鳥は、白鳥や鶴のように家族でまとまって移動する種類と、家族とは無関係の集団を作って移動する種類がおり、弱い個体はだんだん群れから遅れ、陸地の上を飛んでいるときは、限界になったら休めそうな場所を選んで降り、そうすると仲間は待ってくれないのが普通で、仲間とはぐれる個体は良く発生するそうです。休んで餌をとって元気を回復できれば、上を通過する他のグループに合流して旅を続けたり、仲間が見つからなければ違う種類の鳥についていくこともあるようです。とりあえず、はやく新しい仲間が現れてくれればと切に願うところでした。その数日後、いつも通り出勤途中、いつもの場所に白鳥がおりましたが、なんと一台の軽自動車が白鳥のすぐそばまで寄っていくではないですか。あわてて近くの空き地に停車し、川上の橋からその光景をじっと見つめていると、車から一人の女性(結構若そうでした)が降りて、白鳥のすぐそばまで行き、何か餌のようなものを与え、その白鳥は怖がることもなく、普通にパクパクと食べているではないですか。あいにくその女性には事情を聞くことはできませんでしたが、その光景を見て、なぜか涙が出てきました。野生の動物なのでそういう行為は良いのか悪いのかは分かりませんが、この時勢、近隣の方々でもあまり交流がなかったり、他人には無関心な人が多い状況を多く見かける中、小さな命でも大切にできる若者もいるのかと、熱い気持ちになりました(ちょっと大げさでしょうか・・・)。その光景を見た約一週間後、その白鳥は、いつもの場所で見かけることはなくなりました。新しい仲間と出会えたのか、または違う結果なのかは分かりませんが、きっと新しい出会いがあったのではと勝手に思い込み、よかったなあと超前向きになりました。やはり、どんな命でも助け合い支えあうということがとても大事なのではと改めて感じさせられました。